ランチア デルタ ブレーキマスターシリンダー

corsoueda2010-08-04

マスターシリンダーとは、
注射器の様なモノで、
ペダルのからの踏力を、
油圧に変えるもので、
油圧式のクラッチであれば、
ブレーキだけでなくクラッチにも、
マスターシリンダーというモノは装着されている。

シトロエンのLHMなど一部を除く、
一般的な油圧式のブレーキやクラッチであれば、
ブレーキフルードと呼ばれるモノを使用する。
ブレーキフルードには吸湿性があり、
通常は車検毎に交換をしていれば問題ないが、
無交換で何年も使用し続けると沸点は下がり、
吸った水分が下記画像のマスターシリンダーの様に、
腐食させていってしまう。

沸点も新しいモノだと300℃近いが、
専用のテスターを使い計測してみると、
ひどいモノだと100℃近くまで下がり、
水と変わらない状態になっているモノもある。
当然、ブレーキが熱を持ったときにフルードは、
沸騰してしまいブレーキは効かなくなる。


フルードにはDOT4や5など規格があり、
これは基本的には数字が上がれば沸点は上がるのだが、
沸点にもドライ沸点、ウエット沸点があり、
ドライ沸点が新品の状態なのに対して、
ウエット沸点は約3%の水分を混入させたときの、
数値になるのでウエット沸点が高いほど劣化に強いと言える。


ブレーキはロックさせてしまうと熱は発生しなくなるが、
その寸前が最も制動力が高く熱も発生し、
ABSはその状態を維持するようにするモノなので、
ブレーキの発生する熱は高くなる。
にも関わらず昔からABS無しの車両でも、
DOT4が標準とされていた輸入車に対して、
国産車はABS付きでもDOT3を、
指定していた時期もあったが、
クルマに対する考え方のお国柄を感じさせる。


前置きが長くなってしまったが、
今回ブレーキマスターシリンダーを交換したEvoだが、
交換後、ブレーキのタッチが悪くなり、
湯水の如くブレーキフルードを使いエア抜きをしたのだが、
一向に改善せず、まさかと思いながら、
もう一度マスターシリンダーを外し、
バラして確認してみるとセカンダリー側ピストンの、
カップと呼ばれるゴム製の油圧を保持する部品に、
製造時からと見られる虫食いと傷が全周に!


新品だからと油断せず今後は、
取り付け前にバラして確認してゆくことにしよう。

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