脚回りセッティング

corsoueda2010-10-06

もともと、ただの修理屋で、
サーキット向けの、
セッティングノウハウもなく、
手探りで試したり、
勉強したりしていたのだが、
ここ数年、レース屋さんや、
メーカーさんとの付き合いも増え、
基礎ぐらいはようやく自分のモノになってきた。


そこで学んだ一部でウチが実践している、
スプリングレートの基本的な決め方を紹介したい。
今回の倒立式オーリンズの場合、全ストローク量が105mm。
バンプラバーが30mmなので底突き(バンプラバータッチ)までの有効なストロークは75mmとなる。

計測のためダンパーをバラした状態


ストラット式でレバー比など諸々を無視して、
単純に1G(クルマが地面に静止した)状態で、
軸重が400Kgと仮定するとメインスプリングは、
14Kg/mmなので28mm縮むことになる。
このダンパーは全長調整式ではないので、
車高合わせのためにヘルパースプリングが組み込まれ、
1Gでさらに25mm縮む様セットされていた。
細かい計算を無視すると1Gで合計53mm縮むことになる。
そうなると残りは22mmしかなく、
ハイグリップタイヤを履いてのサーキット走行などでは、
さらに1G以上は掛かってくるので、計算上からもハッキリと、
レートが不足していることが確認できる。
実際にはロッドにタイラップなどを巻いて走行し作動量を確認する。


ダンパーをバラしてみると、
バンプラバーは下画像の様な状態だった。

左から 新品: 右前輪の使用後 :粉砕していた左前輪の使用後


間違いなく底突き(バンプタッチ)しており、
そうなるとダンパーが仕事を出来なくなるばかりか、
特性が急激に変化しクルマはとても不安定な状況になり、
コントロールも非常に困難な状態になってしまう。


脚回りは10人居れば10の乗り方があり、用途によっても違うので、
理想に近づけて行くのは難しいが楽しい作業でもある。


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よろしければ一度お立ち寄りください。
corsomarche.com