フィアット 500 サスセッティング

corsoueda2011-04-15

今回、初入庫の、
このチンクエチェントは、
すでにアラゴスタの車高調を、
取り付けられており、
「もう少し車高を下げたい。」と、
車高調整及びリアからの、
異音修理の依頼を受けた。

チンクエチェント&アラゴスタの、
組み合わせはウチでも初めてなので、
まずはどの程度まで車高を、
調整できるかの確認作業から。
ダンパーを外し有効ストロークを計測。
リアはトーションビーム式で、
ダンパーが斜めになっており、
タイヤがストロークする量と、
ダンパーがストロークする量が違うので、
一旦スプリングを外し両者のストローク量を計測し
レバー比を算出する。
スプリングレートからも車高はまだ下げられそうなので、
元々後ろ上がりだった車高を前に合わせてリアを下げた。

フロントもスプリングにプリロードが結構掛かっていたので、
プリロードを緩め、全長調整でダンパーを伸ばし、
伸び(リバンプ)側のストロークも増やす。
そうすることで車高はそのままでも乗り心地は改善される。

スタビリンクの取り付けもダンパー側に高さ調整が付いていたので、
1G時にスタビに捻れが掛からないように調整。
リヤダンパーも宙に浮いた状態でダンパーの取り付け部を締めてしまうと、
1G状態ですでに取り付け部のラバーブッシュを捻ることになり、
ダンパーのスムーズな動きを抑制してしまうことになる。
なのでダンパーだけでなくラバーブッシュのアーム類も、
車高を変更した場合は一旦緩め1G時に締め直すことが大事である。

その他、何故かホイールのセンターを出すための、
ハブリングが2輪分欠落していたので取り付け。

異音の原因となっていたリアスプリングの、
サイレンサーラバー取り付け。

などなど、アライメントや細々とした調整の甲斐もあり、
オーナーに試運転してもらうと、
異音も消え、かなりの良い感触をもって頂けたようだった。
減衰調整も、あえて入庫時の状態にしておいたのだが、
それでも良い変化を感じて頂けたように思う。
お客さんの「高いサスキットでもこんなものかな?と思ってました。」
との言葉どおり車高調整式は特に取り付け方次第で、
良い印象にも悪い印象にもなるので、
くれぐれもノウハウのあるショップでの取り付けを強くお勧めする。

お知らせ

コルソマルケホームページは引っ越しました。
よろしければ一度お立ち寄りください。
corsomarche.com