ランチアデルタ サーモスタット
デルタに限らずイタリア車の、
サーモスタットは全般的に寿命が短く、
症状の傾向としては、
閉じきらずに冷却水が、
いつでもラジエーターに流れ、
適正な水温まで上昇しないことが多い。
開きが悪くなりラジエーターへの、
冷却水の流量が減り、
オーバーヒート気味になることは少ない。
以前にも書いたが適正な水温まで上昇しないと、
燃料は濃いめに噴射され燃費も悪くなり、
エンジンも適正なクリアランス確保出来ず、
ブローバイガスの増加などオイルの劣化も早め、
エンジンにダメージを与え続けることにもなる。
当然ヒーターも効きが悪くなる。
そうなるとドライバーも気づくので、
冬場の交換依頼が多い。
デルタのサーモスタットも純正品では現在供給が無く、
社外のOEM品が供給されているのだが、
去年ぐらいから仕様が変更されたモノには、
構造上の問題があるモノも見受けられる。
画像は冷間時のサーモスタットの状態だが、
⇔部は開きエンジンからの冷却水は、
バイパス側に流れエンジンに戻され、
ラジエーター側は閉じている。
コレが温間時になると⇔部は閉じて、
バイパス側のクリアランスはなくなり、
ラジエーター側は開く。
ところが前述のサーモスタットは温間時でも、
⇔部は閉じきらずラジエーター側にも流れるのだが、
いつまでもバイパス側にも流れ、冷却効率は落ちることになる。
話はそれるが昔はオーバーヒート対策として、
サーモスタットを抜くという裏技もあったが、
このようにバイパス側もコントロールする場合は、
サーモスタットを抜いてしまうとラジエーターへの流量を、
減らしてしまい通常よりも冷却性能を落とすことになる。
サーモスタットを実際に熱して⇔部のストロークを計測したところ、
両者ともほぼ同じ数値だったのだが、
バイパス側のパイプネジ部の飛び出し量が問題のモノは、
短くなっており、材質も樹脂に変更されていた。
問題のサーモスタットを実際に車両に取り付け、
実験したわけではないが、
通常走行では問題ないかもしれない。
しかし正常な物と比較すれば、
水温は高くなり気味でファンの回る時間も長くなるだろう。
デルタの場合この時期に高速道路などを巡航時、
70℃を切るようであればそろそろ交換時期である。
サーモスタットの交換を考えている方は確認お忘れなく。
ちなみにウチで交換したモノはローテンプサーモではなく、
純正OEM品でもちゃんと対策済みですのでご安心を。
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